すべてのことを許せたなら

ー37歳、独身、会社員。いろいろと考えるー

「不快な思いをさせて申し訳ございません」で謝罪は妥当である|H.I.S. 東大美女図鑑

旅行会社のH.I.S.が発表した、「東大美女図鑑」の学生たちが 『あなたの隣に座って現地まで楽しくフライトしてくれる企画』というキャンペーンが、インターネット上からの批判を受けて中止になったという。

キャンペーンの詳細については省くが、それについて書かれた勝部元気氏の『「不快な思いをさせて申し訳ございません」は謝罪ではない』というタイトルのブログを読んで、どうにも腑に落ちない気持ちになった。

特に腑に落ちなかったのが、下記の引用箇所である。

「不快な思いをさせて申し訳ございません」というのは、謝罪をしているようで謝罪ではありません。「謝罪」とは「罪を謝る」と書きます。今回はあくまで性差別という行為をしたこと自体が罪なのですから、それに関して謝るべきです。ところが、不快にさせたという二次的な現象についてしか謝っていないわけですから、これは「罪を謝った」とは言えないわけです。

H.I.S.はほんとうに「性差別」という行為をしたのだろうか。

私は「差別」という行為を、「正当な理由がないにも係わらず、誰かを不平等に扱ったり、或いは不利益を与えること」というように理解している。その前提で書いていくが、私は今回の企画に、不当な理由や、誰かが不平等や不利益を受けた事実があるとは、到底思えない。

H.I.S.は『旅の「プロセス」を楽しくする』という理由があって今回のキャンペーンを企画しているようだし、東大女子図鑑の学生においても、プロモーション活動などの理由があって今回のキャンペーンに参画しているのではないか。

以下、東大美女図鑑のサイトから概要文を引用する。

「東大美女図鑑」は、「勉強一辺倒で大学生活を楽しんでいない」という従来の東大女性のイメージを打破し、東大女性と東京大学のイメージアップを図るために、東大文科一二類26組のクラスメイトを中心とした男女7名によって、2013年3月24日に活動を開始しました。「東大美女図鑑」は、東大女性のイメージ向上に貢献することで、女子学生比率がわずか18.2%(2012年現在)である東大の女子受験者数増加を目指しています。

おそらく双方が合意の元にこのキャンペーンを企画しているし、私にはこのキャンペーン内容からだけでは「H.I.S.が性差別という行為をしている」とは思えない。逆にこのキャンペーン内容だけから「性差別をしている」と断定するのは、過剰反応ではないだろうか。

ただし、キャンペーンの内容を見て不快に感じる人の気持ちも理解できる。理解はできるが、今回のキャンペーン内容を見て「性差別」とまで言うのは、ちょっと言い過ぎではないかということだ。

だから今回のH.I.S.の謝罪は、「不快な思いをさせて申し訳ございません」で妥当であると私は考えている。