すべてのことを許せたなら

ー37歳、独身、会社員。いろいろと考えるー

顔認証を防ぐ眼鏡を使う場面

福井県鯖江市の商社が、顔認証を防ぐ眼鏡を今年の5月末に発売するというニュースを見て、素朴に「この眼鏡を使う場面とはどんな時だろうか」と疑問に思った。

それで、眼鏡を販売する商社のサイトにアクセスしたところ、ニュースリリースに下記のような記載があり、なるほどと合点がいったのである。

観光地などで他人が撮影した写真に自分が映り込むことはよくあることです。ですが、その写真がSNSなどでインターネットに掲載されると、顔認識技術により場所が特定される可能性があります。

そうか、映り込みか。私も写真を撮ることがあるが、確かに全く意図しない人物がフレームに収まってしまうことがある。そうした写真がSNSなどにアップされ顔認証システムが働くことで、全く関係のない人物によって、位置情報などを晒されてしまう可能性があるというわけだ。

例えば「風邪をひきました」と会社をズル休みして、どこかに遊びに出掛けたとしよう。そうだな、会社をズル休みして行くなら、奈良がいいだろう。奈良で肉や野菜を動けなくなるほど食べていると、その姿が同じ旅館にいた誰かの撮影する写真に映り込んでしまうのだ。それがFacebookにアップされて、会社の上司に発見され、ズル休みして奈良に出掛けていたことが発覚してしまい、職を失う。

そのような場面で活躍するのが、この眼鏡である。

しかし、だからと言って、わざわざこの眼鏡を着用するのもなかなかハードルが高いなというのが、個人的な感想だ。

何よりも眼鏡を着用した際の見た目が、何というか、2016年時点での現代社会においては、些か近未来的過ぎないだろうか。

特殊な模様のフィルターで光を反射・吸収して、目元の凹凸をわからなくすることで、顔認証を防ぐという仕組みらしいが、もう少し着用した際の見た目を何とかすることはできなかったのだろうか。

いや、きっと私には想像の及ばない工夫や苦労の末にあの形に収まったのだ。これ以上、その見た目についてあれこれ言うのはやめよう。

しかしなあ。もし観光地などでこの眼鏡を着用している人物を目撃したら、私はその人物をまじまじと見てしまうだろう。「この人には顔認証を防ぎたい、何か理由があるのだな」と勘繰ってしまうだろう。

もういっそのこと、SNSなんてやめてしまえばいいのではないか。